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何でもやってみよう

  さて、ここでは私たち親子にも流れている河内の人間特有の“いっちょうがみ”(何にでも興味を示して、やりたがること)の血をもっていろんなことに取り組んでいる様子をご紹介したいと思います。中途半端に終わっていることばかりですが、とにかく「何でもやってみよう」の精神で…

目次
PART1 夏休みの自由研究「ムクドリのねぐらを探そう」お父さん編
PART2 とにかく餌台を置いてみよう
PART3 校区の野鳥分布図を作ってみよう


PART3 校区の野鳥分布図を作ってみよう

 みなさんは、自分の住んでいる地域(小学校の校区)にはどのくらい野鳥がいるのか知っていますか?
 私たち親子はこのホームページで「身近な野鳥の観察記録」をしていますが、これまでどのくらいの種類の野鳥が自分達の校区内で生活しているのかということをまとめたことがありませんでした。そこで、今回ツバメの観察記録を断念した(少し時期が遅く、巣もほとんど見つからなかったため)こうたろうの夏休みの宿題とタイアップして(?!)、まとめてみることにしました。


1.分布図をイメージする

 せっかく校区の野鳥分布図を作るのですから、その分布図を友だちや近所の人が見て、校区にいろんな野鳥がいることを知ってもらいたい。また、実際にその場所に行って野鳥を観察し、野鳥のことを好きになってもらいたいと思いませんか。私たちもそんな思いを持ちながらも、楽しんで作りました。(こうたろうは???)
 校区の野鳥分布図なので、その分布図を見る人は校区の地理(場所や道路の名前や位置)を知っています。だから、分布図のベースになる地図はあまり正確に作る必要はなく(好き好きですが…)、野鳥のイラストや写真を中心にした見やすいものがいいと思いました。


2.記録と記憶を集める


 分布図を作成するのにあたって、まず利用したのが観察時にこうたろうが作っておいた野帳(フィールドノート)です。観察を始めた頃は、近所の公園や池に行くのにも小さな手帳と鉛筆を持って出かけたので、結構データを拾い出すことができました。
 しかし、記録したものだけではもちろん十分ではありません。そこで、次は二人の記憶をたどって、「学校でユリカモメが飛んでいくのを見た」とか「夜にゴイサギが飛んでたなぁ」とか「初詣のときにチョウゲンボウをみたやんか」というように記憶を集めていきました。一緒に観察しているときは、お互い確認するので比較的誤認も少ないだろうと思いますが(ほんまか?!)、一人で見ていると記憶違いとか見間違いがあるので、できるだけ「それ、ほんまに○○やったんか?」と疑ってかかって、もう一度記憶を刺激したりしました。


3.データを整理する

 次はその集めた記録と記憶の整理です。整理をするために下にあるような表を作りましたが、分布図を作るのに便利なように、野鳥を観察した場所ごとに「◎ほとんど毎日観察することができる。○比較的よく観察できる。△たまに観察することができる。☆あまり見かけないが観察できる」というように書き込んでいきました。
野鳥名 大きさcm 体の特徴や鳴声 観察時の様子とその野鳥に関する問題
(校区で観察できる季節)
治水緑地 S池 寝屋川 O池 Y池 史跡公園 水田 小学校 住宅地
イカル 23 大きな黄色いクチバシで、キコキコキーとすんだ声で鳴く 校区にやってくることは少ない。寝屋川沿いの高い木で鳴いているところを観察(冬)                  
カワラヒワ 14 ピンク色の太めのクチバシ。飛びながらキリリリと鳴く 鳴きながら飛んでいる姿をよく見る。雑草の種を食べている。電線にとまってビィーンと鳴く(一年中)              
ベニマシコ 15 オスは赤くて頬が白く、メスは地味で茶色い色をしている 寝屋川の雑草の種を食べている。観察できたのは地味な色のメス(冬)                  
カワウ 81 全身が真っ黒。クチバシが長く黄色い。鵜飼で活躍するのはウミウ S池でもぐって魚を取る。琵琶湖などでは数が増えて、困っている(一年中)                  
ウグイス 16 全身が茶色い。ホーホケキョと鳴く。 住宅地ではエサの少ない冬だけ見られるが、淀川や近くの山には一年中いる(冬)                  
オオヨシキリ 18 全身が茶色い。ギョギョシ、ギョギョシと大声で鳴く ヨシのある治水緑地や南部の水田にいて、大きく口を開けて鳴いている(夏)              
セッカ 12 スズメより小さく、飛びながらヒッ、ヒッ、ヒッと鳴く いちばん最近観察できた野鳥。小さな体だが、特徴のある声と飛び方ですぐ分かる(夏)                  
エナガ 14 体は白っぽく、尾が黒くて長い。体より尾のほうが長い 校区では数が少ないが、シジュウカラやコゲラとよくいっしょにいる。(一年中)                
カイツブリ 26 ムクドリくらいの大きさで、キリリリリと鳴く。池に浮いた巣を作る 校歌にでてくる。校区内のすべての池で観察できる。夏と冬では羽の色が違う(一年中)          
カルガモ 61 全身が茶色っぽく、くちばしの先が黄色い 普通に一年中見られるカモはカルガモだけ。治水緑地にはアヒルや交雑種が多く見分けにくい(一年中)    
コガモ 38 ハトぐらいの大きさで、顔が茶色と緑色。カモの中では最小 ツガイでいることが多い。小さいので、他のカモの子と間違えられることがある(冬)            
コブハクチョウ 142 体がとても大きく、全身が真っ白。クチバシにこぶがある どこかで飼われていたものが治水緑地とS池で住みついている(一年中)                
ハシビロガモ 51 カルガモより少し小さく、クチバシが長い。腹が赤茶色 クチバシが大きくて、水面をなめるようにエサをとっている(冬)              
ヒドリガモ 49 頭が赤茶色で、てっぺんが黄色い。ピューと強い声で鳴く 冬に校区にやってくるカモの中で、数が一番多い。(冬)            
ホシハジロ 48 頭が赤茶色で、胸が真っ黒。もぐってエサをとる ヒドリガモと似ているが、頭の黄色い線がない(冬)                  
マガモ 59 クチバシが黄色く先が少し黒い。頭が緑色。 体の色や模様は池で飼われているアオクビアヒルと同じなので見分けにくい(冬)          
ミコアイサ 44 メスは顔が茶色く頬が白い。オスはパンダのような模様 校区では珍しい鳥。オスはとても人気がある(冬)                  
コアジサシ 28 海岸の砂浜や埋立地で集団で繁殖する エサをとりに治水緑地まで飛んでくるが、魚を見つけると頭から飛び込んで取る(夏)                  
ユリカモメ 40 クチバシと足が赤い。夏は顔が黒い 大阪湾から淀川をさかのぼって飛んでくる。海岸ではゴミを荒らして問題になっている(冬)                  
ハシブトガラス 56 全身が真っ黒。街の中で普通に見られるカラスはハシブトガラス ゴミを荒らし、問題になっている所もある。他の野鳥をおそって食べることもある。(一年中)
ハシボソガラス 50 全身が真っ黒。ハシブトガラスより少し小さめ 校区では数が少ない。ハシブトガラスといっしょにいることもある(一年中)                  
カワセミ 17 クチバシが長く、飛び込んで魚を取る。チィーと鳴きながら飛ぶ きれいなので飛ぶ宝石とも呼ばれる人気のある野鳥。校区でもそんなに珍しくない(一年中)            
コゲラ 15 住宅地でもよく見られる小型のキツツキ。ギィーと鳴く 背中のしまもようが特徴。木の周りを回りながら昆虫を探している(一年中)            
バン 32 ハトぐらいの大きさで、クチバシが赤く、先が黄色い 水鳥だが水掻きがなく、ニワトリのような足で泳ぐのが下手。治水緑地で子育ての様子を見られる(一年中)        
オオバン 39 バンより大きく、クチバシが白い バンと違って水掻きがあり、泳ぐのは上手。バンほど数は多くない。(一年中)                  
アオサギ 93 クチバシが長い。サギの中で最大 校区の野鳥で最大。Y池でコロニーを作っていたこともある。(一年中)        
ゴイサギ 58 カラスぐらいの大きさで、夜行性。幼鳥は「ホシゴイ」という 夏の夜にゴァーと鳴きながら飛んでいるところをよく見かける(夏)          
コサギ 61 全身が真っ白な野鳥。足の指が黄色。シラサギというサギはいない 校区内でいちばん小さな白いサギ。せまい水路にもいて、足跡を観察できる。(一年中)    
ダイサギ 89 白いサギの仲間では最大。グワーとしわがれた声を出す 首がとても長い。校区にいる大きな白いサギは、ほとんどダイサギ(一年中)                
チュウサギ 68 コサギとダイサギの中間の大きさ。水田に多い クチバシがとても短い。校区には少ない(夏)                  
イソシギ 20 スズメとムクドリの中間の大きさ。尾を上下に振ってなく 治水緑地の水路を歩いている。校区でふつうに見られるシギはイソシギだけ(夏)                  
カシラダカ 15 川原、農耕地に多い。オスは頭の上の羽根が立ったようになっている ホオジロと似ているが、カシラダカは冬にしか見かけない(冬)                  
シジュウカラ 14 頬が白く、胸から腹にかけてネクタイ模様。ツーピー、ツーピーと鳴く 街の中でもふつうに見られる。姿は見えなくてもツーピーという鳴声ですぐに分かる(一年中)          
ヤマガラ 14 腹が茶色い。ビービーやスィースィーと鳴く シジュウカラほど多くないが、冬にエサが少なくなると、山に近い史跡公園などにやってくる(一年中)                  
キセキレイ 20 腹が黄色く、水のきれいな川などにいる。チチチチと鳴く 校区では数は少ないが、冬に治水緑地の水路などの水辺で観察できる。(一年中)                
セグロセキレイ 21 腹が白く、クチバシと足が黒く細長い。 校区では冬になると多くなるが、夏はあまり見かけない(一年中)    
ハクセキレイ 21 白いほおで、チチン、チチンと鳴く。集団でねぐらを作る 校区で一番ふつうに見かけるセキレイ。鳴きながら波型に飛ぶ。(一年中)
ケリ 36 ハト大の大きさで、足が黄色く長い。ケリリ、ケリリと強く大きく鳴く。 南部の水田にいる。警戒心が強く、近づくと大きな声で威嚇してくる。子育ての時期は要注意(一年中)                
コチドリ 16 スズメくらいの大きさで、ピッ、ピッ、ピッと飛びながら鳴く ケリと同じチドリの仲間。ケリは最大で、コチドリは最小。治水緑地の水路にいる(夏)                  
ジョウビタキ 15 オスは頭が白く、腹がオレンジ色で喉が黒い。ヒッ、ヒッという鳴声 冬になるとよく見かける。高いところにとまって、おじぎするように頭を下げたり尾を振ったりする(冬)
シロハラ 24 腹が白っぽく、足が黄色く細長い。全体的に茶色っぽい ツグミの仲間だけど、地味な色をしているのであまり目立たない。史跡公園で少数(冬)                
ツグミ 24 ムクドリよりスマートで、体にまだら模様が多い 地上に降りてエサを探す。走っては止まるという動作を繰り返す。公園の芝生など開けたところに多い(冬)
ルリビタキ 14 わき腹が黄色っぽく、頭や羽がとてもきれいな青い色をしている 庭で死んだものを発見した。校区で生きているルリビタキはまだ観察したことがない(冬)                  
ツバメ 17 尾が二本に分かれていて、回りながら飛ぶ 3月の終わりごろから9月の終わりごろまでいる。その間に何度か子育てする(夏)
スズメ 14.5 人家近くにのみ見られる。両足を揃えてぴょんぴょんと歩く 親はまだ上手に飛べないひなを巣立ちさせて育てるので、人に拾われることがある(一年中)
キジバト 33 翼や背に茶色いうろこ模様がある。デッデポッポーと鳴く 「やまばと」とも呼ばれる野生のハト。ツガイでいるのを見かけることが多い(一年中)
ドバト 33 はいいろのものが多いが、さまざまな模様のものがある この野鳥は飼われていたハトが野生化したもので、野鳥には含まれない(一年中)
チョウゲンボウ 33 タカの仲間では小型。ねずみや小鳥、虫などを捕食する タカの仲間は空高く飛ぶので、なかなか見つけにくいが、校区で唯一観察できたタカ(冬)                
ヒバリ 17 スズメ大で、飛びながら、ピーチュルピーチュルと鳴く 南部の水田。春先にはさえずりながら空に上っていく姿をよく見る(一年中)                  
ヒヨドリ 27 ピーヨまたはキーヨと鳴く。興奮すると頭の羽毛を逆立てる 冬になると渡ってくるグループがいるので、数がいっぺんに増えて鳴声がうるさい(一年中)
アオジ 16 胸から腹にかけて黄色に斑模様。チー、チーと鳴く 冬になると治水緑地以外の公園で観察できる。名前はアオジだけど、青くない(冬)                
ホオジロ 16 腹が茶色で、チョッピーチリーチョチーつくなどと鳴く 校区では少ないが淀川や近くの山に行くと多い。鳴声は「サッポロラーメン、ミソラーメン」?(一年中)                
ムクドリ 24 農耕地、芝生など開けた環境で群れる。集団でねぐらを作る 街の中の大きな木を集団ねぐらにするので、フンや鳴声が問題になっている。(一年中)
メジロ 12 スズメより小さく、目の回りが白い。はなのみつをよく吸う 校区で見られる野鳥では最小。冬に庭の木にミカンをさしてやると飛んでくる(冬)            
モズ 20 虫や小鳥なども食べる。他の野鳥の鳴きまねをすることから百舌(モズ)という 秋になると、キチキチとなわばり宣言をする(高鳴き)。虫などを「はやにえ」にする(一年中)      
ヒレンジャク 17 尾の先が赤い。特徴のある顔と姿 校区には好物のヤドリギがほとんどないので、移動中の姿しか見かけない(冬)                  
トビ 69 カラスより大きく、尾翼はM字。ピーヒョロロと鳴く。 校歌にでてくるが、今はいない。お父さんがこどもの頃はまだたくさんいたのに…                  

4.分布図の作成

 さて、データの整理ができるとあとは分布図を作成するだけです。
 右のこうたろうが作成した分布図は、地図を描く余裕がなかったので白地図を使って作りました。野鳥のイラストはすべて自作ですが、突貫工事のためかなり荒れています?!(こうたろう談)
右図はお父さん版です。(野鳥のイラストは、My Favorite Birds... 鳥好きの部屋さんからお借りしました)
 
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PART2 とにかく餌台を置いてみよう

 広くて日当たりのいいお庭に集まる鳥たち。バーダー11月号の「バードガーデニング実践編」に紹介されているお庭などを拝見していると、ため息がでて「ウチの家には野鳥を呼べないな」と落胆しがちですが、私たちはそこは前向きでした。「来るか来んか分からんけど、とにかく餌台を置いてみよう」と、1昨年の冬に餌台を置いてみました。
 ウチは元は農家なので、母屋のほかに農作業をするためのスペースと納屋がありました。10年前に納屋を潰して、私たち親子が住むプレハブ住宅を建てたのですが、「お陰で日の当たりが悪くなってしまった」とは私の親の弁。それから間もなく西隣にもハイツがびっしり立って、庭の日照環境は最悪になっていました。

1.餌台の置き場所

 さて、まず問題になったのが餌台の置き場所でした。野鳥の立場から考えると、いろんな本に載っている「日当たりのいい場所」「見通しのいい場所」「外敵の近づきにくい場所」などが必要条件になります。しかし、人の立場からすると、ほとんどの(野鳥優先主義でない)ご家庭にそんな場所があったら、美しい花木が植えられていたり、実用的に洗濯物が干してあったりするでしょうね。そんな場所に餌台を置くなんて言おうものなら、家人の猛反対にあうと思います。「大切な庭木がせっかくつけたきれいな実を食べてしまったり、フンで洗濯物を汚したりする鳥に何を好んで餌を呉れてやるのか」「近所にも迷惑や」ってね。
 ウチもこうたろうと私以外は普通の人。「洗濯物を汚さないところに置くのなら」の条件付で庭の隅に餌台を置く許可を得ました。日当たりは良くない場所でしたが、柿木の近くでたまにヒヨドリなどが顔をのぞかせていたので、可能性はないわけでないと思っていました。また、すぐ近くに犬小屋があって、木や物置とは近くてもネコはほとんど寄り付かない場所だったので、ネコ対策は助かりました。ミルキー、今後もよろしく!
 それから、大切なのが餌台の置くタイミングだと思います。ウチの近所はまだ水田が残っているので、落穂などが拾えるうちはいくら餌をおいても野鳥はやってきません。また、自然の中で餌を十分確保できるなら、餌台は置かないほうがいいと思います。彼ら野鳥は自然の中で生きているわけですから、餌台に餌を置くのは、そんな自然の中で生きている野鳥の姿を庭で見せてもらえるお礼と考えたほうがいいと思います(池のアヒルにパンくずを与えるのとは違うのですから)。

日当りが悪くても、野鳥が発見可能な場所を選びましょう

ネコから野鳥たちを守るワン!(犬は強い味方ですよ!)
 
2.餌台の作成(冬期限定)

 どんな野鳥を庭に呼ぶのかで餌台の形も置く餌の種類も変わってくると思います。キジバトやヒヨドリなどの大きな鳥たちを呼ぶのでしたら大きなテーブルが必要ですし、逆に小鳥専用の餌台にしたいなら大きな鳥たちが止まれない工夫(低い屋根を作ったり、ガードをつけたりする)が必要ですが、最初はどんな野鳥がやってくるかわからなかったので、オープンタイプの餌台(支柱に板を打ち付けた簡単なもの)にしました。ところが雨が降ると餌がぬれたり、野鳥も集まりにくいので簡単な屋根をつけることにしました。はじめ、緊急避難的に段ボール紙を折り曲げたものを置いてみましたが、風で飛んだりすぐぼろぼろになってしまうので、結局ベニヤ板の屋根を被せました。同時に、小さい鳥専用に鳥かごタイプの餌台を作ったのですが(メジロが気に入ってよく入っていましたが…)、野鳥たちが鳥かごの中で餌を啄ばんでいる姿を見てすぐにやめました。そして、小鳥用に小型の屋根つき餌台(文庫本くらいの大きさ)を作りました。これも結構評判が良かった(?)のですが、材料が古くて去年1年で廃棄処分となりました。
 今年、ホームセンターで1枚168円(特価品!)で購入した木製の敷板(ガーデニングなんかでよく使う材料)を2枚、台と屋根にして屋根の上にはキャンプで使う薪(松)をはり付けて出来上がり(支柱と支柱台のブロックは3年目)。出来映えはいままっで一番良いのですが、野鳥さんたちが気に入ってくれますかどうか…。


この餌台は3台目(屋根の上のミカンはヒヨドリにプレゼント)

メジロ用のミカン。カキの木から針金でつるしただけですが、ヒヨドリは食べられません
 
3.水場の設置(1年を通して)

 さて、冬場の野鳥達にとって餌とともに大切なのが水。水場の設置についても高く、見とおしの良い所に置くようにと多くの本に書かれていますが、これもなかなか難しい。餌台の上に少し大きめのお皿を置いたら、ひっくり返してすぐに餌をぬらしてしまいました。同じように水台を作ってやろうとも思いましたが、よさそうな方法が見つかりません。ある日、庭の片隅に昔、粉引きに使ったと思われる小さな石臼が無造作に置いてあったのを見つけ、これを利用できないものかと考えました。小さくても石なので20キロぐらいの重さがあって、とても台に乗せたりできそうにありません。見とおしの良い場所に置けないので、どうしようかと悩んでいる間、餌台の下に置いていました。すると、餌台からこぼした餌を拾って食べるのと同じ動きで、スズメがその石臼にたまった雨水を飲んでいました。結局今でもそのままで、ネコ対策は番犬ミルキーに頼っています。

この歪な形が結構気に入っています
 
4.餌を置く(やってくる野鳥を思い浮かべて)

 さて、餌台も準備したし、後はどんな餌で野鳥達を迎えればいいのかということです。スズメさんなどは何でも良く食べてくれるので、あまり気にしなくてもいいご近所のお友達というところでしょうか。ヒヨドリくんもどちらかというと、庭木の実や果実を食べるついでに何かあったら…という感じでよってくれます。さて、ここから先が意外だったり予想どおりだったりしました。
 これから餌台を設置しようとする人のために、バードメニューなるものがいろんな本に載っていますが、まず、粟や稗などの飼い鳥用の餌。100円ショップなどでも手に入るので、とても重宝しています。これはスズメが大好きです。また、ジュースや蜂蜜とありますが私はあまり置きません。それよりもミカンやリンゴなどの果実を置くようにしています。(餌台の写真のバックに写っている柑橘系の木ですが、植木市で「レモン」として購入したはずなのですが、ちょっと甘酸っぱい不思議な味がするのです。フルーツとしてはちょっと…なのですが、メジロちゃんに好評です)これは、メジロ、ヒヨドリ、ウグイスだけでなく、スズメもよく食べています。あと、ヒマワリの種なんですが、好むとされているカワラヒワやシジュウカラがあまり家の周りで見かけなかったので、今までほとんど出していませんでした。妻とこうたろうの最近の情報では、コゲラを含めシジュウカラやカワラヒワを昼間に見かけるということなので、ことしはフィーダー(そんなエエもんとちゃう!)を吊り下げてみることにしました。さて、どうなることか…。

今年はこんなこともしていますが、さて…
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PART1 夏休みの自由研究「ムクドリのねぐらを探そう」お父さん編

1.はじめに
 この夏休みのこうたろうの自由研究の課題は、「スズメ」をテーマにする予定でした。ところが、「スズメの何を調べるの?」といった課題の設定に入ったとき、こうたろうは悩んでしまいました。そう、あまりにも難しすぎたのでした。
 1年生、2年生のときは図鑑をまねて野鳥の絵を描き、3年生は紙粘土でカモを作りました。積極的に野鳥観察をするようになった昨年は、打上川治水緑地での観察図を夏と冬に分けて作りました。そして今年、「もう高学年になったことやし、そろそろなんか自由研究らしいもんしたら…」という私の半強制的なアドバイスで、「そしたら、スズメ」という感じで簡単に始めようとしたのですが、観察をしていたら面白いスズメも、何について調べればいいのかこうたろうも分らない様子で、相談された私も???。スズメは手強過ぎました。そんな時、耳に入ってきたのがあの騒がしいムクドリさんの声でした。数十羽の群れが、夕暮の空をいくつも通り過ぎるのを見て「これでいこか」ということになりました。(助け舟には素早く乗る。これが我家の伝統?!)
 

2.観察開始
 こうたろうの自由研究とはいえ、何の経験もないのに「そしたら、がんばって!」と放っておくことはできないので、観察方法や進め方についてアドバイスをしました。(強制的にならないように気をつけましたが、「そうするわ」「それでいいわ」という答えばかりで、こうたろうの考える力を奪ってるのではないかと反省しています)
 枚方市駅前の公園をねぐらとしている群れを観察して分かっていたことは、ムクドリがねぐら入りするのは日没の30分くらい前だということ、群れごとにねぐらに入るということくらいでした。そこで最初は、見通しのよい近所の水田に陣取って飛んでいく方向や数を観察し、それからポイントを順次移動させ、ねぐらに近づいたところで一気に追跡することにしました。

観察日時 観察場所 飛翔ルートと群れの数 観察状況
8月4日
 18時00分〜18時20分
京阪バス
高宮南口
バス停付近
@20,16,40,9,10,250,60,23,25,60,12,17,16,9,15
A20,20,400
B9,20,50,70,50,5,25,4,40,45,20,25
最初のポイントは、前にムクドリの群れを見た水田。見通しが良い場所。バス停の近くの電線でムクドリが待ち合わせ。
群れの数のカウントは、50くらいまではほぼ正確だが、250や400は1割程度の誤差はご勘弁ください!
8月6日
 17時30分〜17時45分
京阪バス
高宮南口
バス停付近
@11,4,10,5,7
Aなし
B30,6,22,8
こうたろうの都合により、1回目より早い時間の観察になってしまいました。この場所の通過のピークは18時くらいか?
8月7日
 18時00分〜18時10分
京阪バス
高宮南口
バス停付近
@26,60,18,3
A11,100,50,38,40,14,14
B40,15,150,40
少し早めに観察を切り上げ、飛翔ルートの先にある南寝屋川公園(大きなポプラ?並木がある)にバイクを走らせるも、その姿はなし。
8月11日
 18時00分〜18時20分
  寝屋川七中
 18時20分〜18時40分
  南寝屋川公園
寝屋川七中・南寝屋川公園 C10,20,20,200,20,25,60,20,25,40
D20,300
E10,40,30
最初のポイントより約1km南西に移す。
 
  飛翔ルート
@交野より門真方面へ
 (第二京阪国道ルート?)
A讃良川上流より下流へ
B打上川治水緑地方向から南西へ
C楠根小学校から寝屋川七中へ
DAのルートから南寝屋川公園へ
E北方向から寝屋川七中へ
※飛翔ルートは観察図を参照ください。
観察図

3.ああ、甘くはなかった
 8月11日、観察ポイントを約1km南西に移し、観察していると約200羽の群れが讃良川の土手で何か啄ばんでいる。しばらくすると、隣にある寝屋川七中の校庭のクスノキに移動し始めました。おやっと思っていると北から東からどんどん群れがやってきて、7〜8本あるクスノキに次々と入っていくではありませんか。こうたろうと二人「ここやってんな」「意外と近いとこにあってんな」と話をしていると、300ほどの大きな群れが校庭の反対側を通過していきました。「あの群れはどこに行くんやろ、後を追ってみよか」と讃良川沿いの遊歩道を南に向けて自転車を走らせました。すると、この前にはいなかった南寝屋川公園のポプラ並木に留まっていました。「この前来た時には居らんかったのに、何でやろな」と顔を見合わせていると、今度はすぐ傍を100羽くらいの群れが次々と通過していきました。と同時に目の前のポプラに木に留まっていた群れも、次々と南西に向かって飛び立っていきました。
 しかし、二人とも、この時まだ飛んでいったムクドリは七中の校庭にいた群れとは別の群れだと思っていました。帰り道、七中の校庭に残っていたのは、スズメの砂浴び跡の丸い穴だけでした。
 そうです、七中の校庭も南寝屋川公園もムクドリの休憩地だったのでした。 

4.追跡!!
 翌日、もう一度南寝屋川公園付近で飛翔方向を確認し、8月14日を追跡決行日として作戦会議。

「お父さんは思うんやけどな、やっぱり大きい公園やと思うねん」
「それやったら、鶴見緑地かな」
「そうかもしれんな。けど、鶴見緑地に行くまでにいくつか公園があるからそこもチェックしとこ」
「また、自転車で行くん?」
「あたりまえや!!」
  (おいおい、主役は誰やねん!)

時間 移動 観察状況(追跡ルートは地元の人でないと分からないかもしれません…)
17時50分 寝屋川七中前 まだ、数羽が校庭前の電線にいるだけで、大きな群れは見えず。
18時00分

18時10分
門真市巣本交差点南西 鶴見緑地へ行くにしても、途中にねぐらがあるにしてもこの場所を通るはずだということで、見通しが良く鶴見緑地方面への移動が便利な位置を選んで待機。18時10分ごろ、最初の大きな群れを双眼鏡で捉える。が、何と巣本の交差点に入る前に大きく西へ旋回。次の集団も同様のルートを取ったので慌てて移動する。
18時20分 府営四宮住宅 群れを追って、国道163号線を超えて府道守口門真線を京阪大和田駅方面へ走る。府営四宮住宅付近で待機。間もなく、すぐ南側を東から西に100羽ほどの群れが通過する。GO!
18時30分 上野口町〜野里町 とにかく、群れの後を追う。ラッキーなことに50羽ほどの群れ(確認しやすい)が次々と同じルートを通過したので、自動車の少ない住宅街の裏道を自転車で追っても見失うことはなかった。
18時40分 関西電力古川橋変電所 住宅街を追ってきて、辿り着いたのが変電所。そこには500から1000ほどのムクドリが留まってるではありませんか。「ここか…」「ねぐらは木やと思ってたけど、こんなとこで寝るねんな」と、日没近くの夕日にたたずむムクドリを観察。
18時50分 帰路 !!

 双眼鏡やデジカメを仕舞い、帰り支度をして、さあというとき変電所のムクドリがいない…。
「えっ、なんで…」
「どこに行ったん?」
「今日は、帰ろ…。日が暮れてしまったし…」
「…」

 さすがに、この日は疲れてしまった。これで終わりと思った途端数分で目の前からあれだけのムクドリに姿を消されては…。家路へのペダルは非常に重かったです。
 家に帰ってから、何の面識もない大阪市立自然史博物館の和田先生にSOSのメールを送ってしまいました。後で送信履歴を後で見て赤面してしまったのですが、正体も名乗らない無礼な質問にも丁寧に応えてくださった上に励ましもいただき、また力が湧いてきました。

5.あっけない結果
 翌8月15日の仕事帰りに地図のコピーを握り締め、変電所のある京阪古川橋駅に行きました(18時30分ごろ)。8月16日は仕事が休みなので、もう一度二人で追跡しようと決めていたのでそのための下調べのつもりでした。
 ところが、駅を降りターミナルに続くケヤキ並木に目を移すと何とそこにいるではありませんか、昨日見失ったムクドリたちが。「何や〜!」と思わず呻いてしまいました。この場所は変電所から歩いて5分ほど、目と鼻の先なのです。
 しばらく、並木を歩いて19時過ぎにねぐら入りが終わるまで待って、ここが彼らのねぐらであることを確認。
 ムクドリの数は、1000〜1500羽くらいだと思います(観察中に300羽くらいの群れが2つ入ってきたのと、鉄塔に400羽くらい留まっていた。あと、小さな群れ(20〜30)でいくつか入ってきたのがいたのと、駅に着いたときには200羽以上はいたように思うので…)。枚方市駅に集まる群れと同じくらいの規模かなと感じました。また、このねぐらにはムクドリだけでなく、スズメも同居していました。ムクドリがほぼ入り終わった18時50分ごろから次々と入り始め、数百羽いたように思います。

6.そして
 8月16日、ねぐら入りの最終観察までの時間に間に合うよう、大阪市立自然史博物館に行ってきました。私は中学校の時に行って以来、25年振りでした。新しくできた“花と緑と自然の情報センター”の自然のエリアには「大阪の自然誌」という常設展示のコーナーがあって、大阪の自然について子どもにも分かりやすく説明されているコーナーがありました。また、「自然の情報コーナー」では、野鳥に関する図書や剥製、巣の実物などが展示されており、とても参考になりました。
 さて、最終観察ですが18時20分ごろに京阪古川橋駅に到着すると、既にねぐら入りが始まっていました。昨日は300羽の群れが集団でねぐら入りするところを見たのですが、この日は少し早くねぐら入りしたのかそれとも数が少なかったのか、近くの鉄塔にも群れの姿がなく、数百の集団でねぐら入りする場面も見かけませんでした。私の話を聞いていたこうたろうは少し拍子抜けした感じでしたが、それでもムクドリが鳴き合っている様子やフンの多さに驚いた様子でした。日が暮れて(日没18時46分)、鳴声が収まるまで観察を続け帰路に着きました。
 観察についてはこれで終わりましたが、こうたろうにとってはこれからが本番です。今までも、観察はできるのですが、その内容を人に説明したり文章にまとめたりするのが苦手で、今回もどうやら苦労しそうです。私は、ここまで手も口も出しすぎたと思うので、これからは黙っていようと思います。さて、どのように仕上がるのやら…。 

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