こうたろうとお父さんの
野鳥
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現代河内弁フィールドノート

河内弁ってご存知でしょうか?
いわゆる関西弁のうち、大阪の東部「河内」(かわち)で使われている言葉です。関西弁のやり取りで有名なあの「儲かりまっか」「ボチボチでんな」は、大阪の商(あきない)言葉で、農家の多い河内ではほとんど使いません。河内弁の特徴は、強く、短く、多様なところにあると私は思っています。私の好きな河内弁で「よぉーっ」というフレーズがありますが、これはまさに強く短く多様な言葉なのです。知り合いの家を訪ねて玄関先での「よぉーっ」は、「こんにちは、誰か居ませんか」であり、会話中の「よぉーっ」は、「えっ、どういうことですか?」という疑問文で、これが、強い調子になると喧嘩で使われます。使用例としては「よぉーっ、なにぬかしとんじゃいワレ!しばき回すぞ!!」です。(やっぱり、柄が悪いなあ〜)しかし、残念ながらこの「よぉーっ」も、最近ではほとんど使われなくなりました。
したがって、このフィールドノートで使っている河内弁も純粋な河内弁ではなく、明石家さんまの奈良弁や島田紳介の京都弁などと融合した現代河内弁だと思ってください。また、言葉の使い方も決して正しいものではないということも、予めご了承ください。

(フィールドノート一覧)

探鳥会に行ってきました(牧野探鳥会) 少し緊張したけど、行ってよかった!
コウノトリの郷公園(コウノピア) 早く大空を羽ばたける日がやってくるといいのだけど。
ヒナの巣立ちと見守る勇気 かわいいヒナを親鳥はどこかで見ている
メジロちゃん 餌台のアイドルはみんなが味方!?
冬の水浴びって寒そうやなぁ  ツグミは夕方に水浴びするらしいけど…
冬に腕をみがきましょう!  冬は街にも野鳥があふれている?
水辺の賑わい  治水緑地公園の冬場の風景です
思い込みは損をする  トビとミサゴ、コサギとアマサギ
やっと行った、山田池公園!  ネコが多いのはなぜ?
夏休み最後の悲しい出会い  元気に飛んでいる姿を初めて見たのは半年後
夏休みの自由研究は?  テーマは二転三転、そして夕方に決まった
キジを見たい!けど、観察できたのは…  カッコウは山の中?
20年ぶりの再会  悪魔の鳥!?
夏がやってきた!  せっかちな面々
子育て真っ最中!  シジュウカラも、セグロセキレイも、コブハクチョウも!
身近な鳥を見分けよう  大きな野鳥からはじめよう
さえずり  意外と簡単かも?自分の言葉で覚えよう
野鳥のねぐらと人間の生活  ふ〜ん、と聞き流せない問題も
カワセミは増えたのか、それとも…  はじめの一歩、環境と野鳥


※アイコン(やぎさん工房からお借りしました)は基本的にフィールドノートに登場する野鳥に案内してもらっていますが、ヒレンジャクはアカショウビンに、コウノトリはヤマセミにピンチヒッターをお願いしています。

探鳥会に行ってきました(牧野探鳥会)
こうたろう、今まで探鳥会って行ったことないけど、いっぺん行ってみる?
え、どうしようかな。大人の人ばっかりやし、緊張するしなぁ。
けどな、みんな野鳥のこと好きな人ばっかりやし、きっと野鳥の見方とか教えてくれはると思うで。これまではお父さんと二人だけで鳥を見に行ってたやろ、どうしても決まった見方しかできてへんから、他の人の野鳥の見方を近くにおって勉強したほうがエエと思うよ。
そしたら、行ってみようかな。それで、どこに行くの?
淀川に何回か鳥見に行ってるやろ。そこで野鳥の会が探鳥会をしたはるから、行ってみよか。今度の日曜日にあるみたいやし…。
でも、勝手に行ってええん? 予約とかせんでもええん??
関西野鳥園さんの掲示板で聞いてみたら。
そうするわ。


(日本野鳥の会大阪支部 牧野定例探鳥会について)

 毎月第1日曜日開催されています。午前9時に京阪電車牧野駅前に集合(日本野鳥の会大阪支部の方が腕章を付けて受付をされています。参加費は、野鳥の会会員の人は100円、一般の人は200円です)します。リーダーから観察についての説明や注意事項を受けた後、淀川沿いを枚方市駅方面まで観察しながら歩きます。途中の磯島実験池で昼食(約30分)、天野川河口まで歩きます。そこで最後に鳥あわせ(観察した野鳥の確認)をして、午後2時ごろ解散です。全行程約5.5キロで、ほぼ平坦な道ですが、途中にトイレがないので注意。また、夏の直射日光と冬の寒風にも注意が必要です。
 野鳥の種類も多く、猛禽類も身近に見ることができます。参加者はベテランかの方から、私たちみたいな初めての人まで参加されています(今回は44人でした)。観察は、歩くスピードや、観察スタイル、熟練度によってなんとなくいくつかのグループに分かれますが、野鳥の会の方がうまくリードしてくださいますので、初めての人も安心です。双眼鏡で観察しづらい野鳥も、リーダーやベテランの参加者の方がスコープをセットして見せてくださいます。


そして、探鳥会…
やっぱり参加者が多いな。
けど、小学生はボクだけやな。
初めての人は一番後ろから行くってリーダーの人が言うてはったけど、後ろのほうから付いていこか。こうたろうは、できるだけリーダーの近くにいて、いろいろ教えてもらうねん…、て言うてるうちから先に行くんとちゃうぞ!
わかった。けど、あそこでなんか見たはるで。何かな?
鉄塔の方を見てはるから、ハヤブサとちゃうか?。
リーダー どうぞ、双眼鏡やったら無理やから、これで見てごらん。鉄塔の上のほうにあるボックスの手前にいるんやけど、見える?
う〜ん…。あっ、見えた。ほんまや〜!!
ああ、ほんまやなぁ。さっき駅の近くで見たチョウゲンボウとはちょっと違うな。
はじめてハヤブサ見れたわ。よかったぁ!


この日観察した野鳥(42種類)
カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ミサゴ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、キジ、クイナ、バン、イソシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス


おとうさん、目の前でチョウゲンボウやカワセミも見たし、コガモの大群(200羽)が川の上を回って飛んでいくところも見れたし、また来よな。
いろんな人がいて、いろんな楽しみ方があって、いろんな見つけ方があって楽しかったな。
心配してたけど、来てよかった!!
そうやな。

(堤さんをはじめ大阪支部のリーダーの皆さん、参加者の皆さんありがとうございました)

集合場所(牧野駅前)

昼食場所(磯島実験池)

解散場所(天野川河口)

コウノトリの郷公園(コウノピア)
ここはコウノトリの郷公園の中にあるコウノピアっていう施設やねんて。
おとうさん、ここってきれいな建物やな。お土産も売ってるし、説明をしてくれる係りの人もいてはるで。
ほんとやな。お父さんはコウノトリを野性に戻すための研究施設と繁殖のための施設があるだけやと思ってたから、ちょっとびっくりやわ。外に出てみよか。

あ、コウノトリがいてる!10羽くらいおるんかなぁ〜
この公開ゲージの池では、ドジョウなんかのエサを獲る練習をしてるらしいで。オープンゲージになってるから、外からアオサギやシラサギ類が飛んできて混じっているな。
外に出んように風切羽を切ってるって、さっき係りの人が説明してくれてはったけど、大丈夫なんかな。
それは大丈夫やろけど、コウノトリって思ってた以上に大きいな。アオサギなんて小さく見える。水墨画なんかに松に留まっている鶴を描かれたものがよくあるらしいけど、あれはコウノトリをツルと見間違えられたものらしいで。
ツルの仲間って、木に留まられへんねんやろ。
そやな、巣も地上に作るもんな。
あ、さっき巣についても説明してくれはったけど、コウノトリは直径2メートルくらいの木の枝や落ち葉で作った巣を木の上に作るねんて。模型があったけど大きかったで。
けど、コウノトリって本当に大きいな。ちょっと怖い気がする…
でもな、昔はこの鳥がたくさんおって、人間とちゃんと共存しててんで。ただ、昔はビルもなければ電線もない広い広い空やったけどな。
コウノトリの数が増えても、ちゃんと外で暮らせんねんやろか。
確かに昔と比べたら暮らしにくいかも知れんけど、地域に暮らす人の理解と観察する人のマナー次第やろうな。特にコウノトリがこの周辺の山野・水田から外に出たときが問題やな。
なんで?
豊岡は日本で野生のコウノトリが最後まで生息した土地やから、みんな問題意識を持ってコウノトリの繁殖と野生化を目指していろんなことに取り組んではるやんか。
コウノトリが戻ってきたときに暮らしやすい環境を整えておくために、地域の農家の人が無農薬の農法に取り組んだりして…
あ、さっき来たとき「カルガモ農法をしています」っていう看板があったけど、あれもそうやな。
そうや。せやから、そういう問題意識がこの豊岡から全国に広がっていったら、コウノトリだけやなくて人間にとってもいい環境になるのにな。少しだけ不便を楽しむという余裕が現代人にできたらええねんけどな…


ヒナの巣立ちと見守る勇気
おとうさん、ヒヨドリのヒナは?
うん、今ガレージのほうに飛んでったわ。
さっき、エライ声で親鳥が鳴いとったけど、なんかあったん?
ああ、ヒナを見ようと思って勝手口から出たらな、すぐ横のブロック塀にヒナが留まってて、近くを飛んでたスズメやお父さんに向かって威嚇してたんや。今まで聞いたことのないような声やったわ。
おとうさん、ようつつかれんかったな〜。そやけど、この前のスズメのヒナとか、今度のヒヨドリのヒナとか今年はよくヒナがウチに来るなぁ。ちょっと前にもヒヨドリのヒナがうちの庭で死んどったやんか。なんでやろな?
この前な、スズメのときやけど、本で調べたら、野鳥のヒナは飛び方を覚える前に巣立ちして、エサのとり方や身の守り方を覚えながら成長していくらしいねんて。
あ、それであんなに小さかったんか。でも、車や人がたくさん通ってるのに大丈夫なんかな?
そうやな、お父さんのこどもの頃は自動車も今ほど多くなかったし緑が多かったから、親鳥はヒナを木や草むらの中を移動させながら、安心して子育てをできたんとちゃうかな。
人間も一緒やな。お父さんは夏休みになったら、近くの山に自転車でクワガタムシをとりに朝早くから暗くなるまで行ってたけど、こうたろうが同じことをするって言ったらどれだけたくさんのことを心配せなアカンやろな。
野鳥は危ないもんとかって分かってんのかな?
う〜ん、まあ、無理やろな。せやから車にひかれたり、建物にぶつかったりして死んでしまうんやろな。
でも、飛ばれへんのにヒナがじっとしてたら、巣から落ちたんと分からんなぁ。
そうや、飛べもせんヒナがじっとしてたら、やさしい人ほどかわいそうになって拾ってしまうやろなぁ。
けど、野鳥の場合、「親は飛び方もエサのとり方も、ちゃんと飛べんうちからヒナを自然の中において育てる」ってことを人間が常識として知ってたら、善意がヒナの命を奪うってことは無くなんのにな。難しい??
分かる。「ヒナを拾わないで!!」っていう日本野鳥の会が作っているポスターに書いてあることやろ。
お父さんもこうたろうもそんなこと分かってるって思ってたけど、うちの庭に2羽のヒナが来て、やっぱり気になって何回もヒナを見に行ったやろ。考えたら、あれは子育てをジャマしてるねんなぁ。ミルキーを犬小屋の中に閉じ込めて事故(?)を防止するのはもちろんOKやろけど、そこで寝たら雨にぬれてしまうからって尾羽をつっついて動かしたり、道路の真ん中で止まってしまったのを危なくないところまで追っていくのはセーフかな?でも、それが限界やろな。
親鳥が子育てやめたら大変やもんな。
野鳥の場合、親鳥はヒナを一人前にするために見守って育ててんねんから、人間はそのことを十分理解して付き合わんとな。「かわいい」とか「かわいそう」だけで近づきすぎたらアカンな。

メジロちゃん
こうたろう、ふってきたわ。
ほんま!?
うちでも梅の花が咲き出して、ウグイスもそろそろ来るんかなっていうのにな。
あのな、ウグイスよりもメジロのほうが、よう梅の花の蜜を吸いに来るやんか。大阪城公園に行ったときも、梅林におったんはメジロばっかりやったし。色もウグイスちゃうねんけどウグイス色やし、メジロのことをウグイスって思ってる人も多いんとちゃうかな?
昔から「梅にウグイス」っていうけど、ウグイスって一年のほとんどは山やヤブの中におって昆虫なんかを食べているって感じがするし、色もきれいじゃないもんな。どっちかっていうとメジロのほうがウグイスらしい(?)もんな。さえずりはウグイスのほうが勝ってるけどな。
う〜ん、メジロはさえずりよりもチィーっていう地鳴きのほうがかわいいかな?
チィーって餌台に飛んできて、チュルチュルって鳴きながら交代でミカンを食べてるけど、その姿は「メジロちゃん」って感じやな。
餌台の人気もんやもんな。
前にな、メジロにあげようとしたミカンをヒヨドリがやってきて横取りしてしまうんで困るっていう人が新聞に投書してたらしいねんけど、餌台ではヒヨドリは嫌われもんやな。
フンもたくさんして、洗濯物を汚したりするしなぁ。お母さんたちには嫌われるやろな。ようみたら、赤いほっぺでかわいいねんけどな。
声も大きくてうるさいしな。
まあ、餌台にそのままミカンを置いたら、ほとんどヒヨドリに持っていかれるかもしれんけど、ちょっとひと工夫でどちら様にも味わっていただけます。
つるしたヤツやろ。
前にな、ヒヨドリが食べれんようにと、カゴをかぶせてその中にミカンを置いてんけどな。ヒヨドリはさすがにカゴの中まで入って食べられへんかってんけど、メジロをカゴの中で飼ってるように見えてな、すぐにやめてん。
それで、考えたのが木に針金をつるしてミカンを刺しておくという今の方法や。結構いけるやろ。
そうやな、ヒヨドリがいつも悔しそうに見てる。
まあ、ヒヨドリにもご馳走してるし、それくらい我慢してもらお。
しかし、ヒヨドリ君、テーブルマナーが悪すぎるなぁ。まだ食べれるのにひっくり返して泥んこにしたり、最後まで食べんと飛んでいったり…。
悪いなぁ!
お前は言われへんのとちゃうか?給食で牛乳をひっくり返してこぼしたり、食べ散らかしたりしてんのは誰や…。
ボクはわざとちゃうもん!
ヒヨドリもそうちゃうか?
…。
餌台にメジロちゃんが来るのも、もう少しかな…


冬の水浴びって寒そうやなぁ
最近ちょっとだけ日が長くなってきたな。もうすぐ5時になるけど、まだ明るいもんな。
せやけど、さっきからたくさん鳥たちが集まって来てんで。
うん、この廃寺の雑木林は冬の間、ヒヨドリやツグミのねぐらになってるもんな。
そこの枝で丸くなって鳴いているのは何やろ…。ツグミはカッカッとかキィキィって鳴くけど、ちょっと鳴き方が違うみたいやねんけど…。
シロハラとちゃうか。去年もこの辺で見かけたからな。あっ、ツィーって鳴きながら飛んでった。やっぱりシロハラやったな。ツグミと比べて色も動きも地味やな。
おとうさん、あの木にツグミがたくさんとまってるわ。あそこがねぐらなんやろな。
でも、なんか池のほうに交替でおりて行ってるで。なんか池にいてるんかな?
いや、違うんとちゃうか。
あ、水浴びしてる…。寒そうやな〜!
ウチの家に置いてある餌台のところでも、スズメが水浴びしてるけど、大概(たいがい)は昼間やもんな。
ツグミは体が大きいから、エサを食べんのが忙しくて、こんな時間になるんかな。
ツグミ類は夕方薄暗くなったころに水浴びするって何かの本に書いてあったけど、その理由はそんなところかも知れんな。
わ〜寒そう、まるで寒中水泳や。野鳥は大変やなぁ!
そうそう、さっきそこにアオジがおってんけど、姿が見えへんようになった。声は聞こえんねんけど…。アオジもそこのヤブで寝るんかな?
この雑木林も、山を削るようにして住宅が建ったり、すぐ横を高速道路が通る予定やったりして狭くなってしまったけど、野鳥たちにとっては大切なねぐらやねんな。幸いなことに「高宮廃寺」が見つかって史跡として保存されるようやから、これ以上は狭くならんとは思うけど、みんなにこの雑木林の大切さをもっと分かってほしいよな。
そうや、ねぐらは大事やもんな。
こうたろう、この宮さん(高宮廃寺は高宮神社奥宮の敷地内にある)の雑木林は、ほとんどのところに「立入禁止」って書いてあるやんか。何でやと思う。
人の体に悪い薬がまいてあるからやろ。そう書いてるで。
もちろんそうや。けどな、この雑木林を開放したらどうなると思う。悲しいことやけどゴミを捨てたり、火遊びをしたり、バイクを走らせたり…そんなことをする人がきっといてる。
悪いなぁ!
そうやな、お父さんはこどもの頃この雑木林で虫を取ったり、冒険(?)したり、かくれんぼしたりして遊んでいたから、なんで立入禁止にしたのかなって思ってたけど、雑木林のためにも野鳥のためにもこのままにしとくのも、今はしゃーない(仕方ない)なって思うんや。
そう思う。
けど、みんなが自然の大切さを分かるようになって、この雑木林がそのままの姿で残されて、その中を野鳥の声を聞きながら散歩できるようになったらええのにな。


冬に腕をみがきましょう!
12月に淀川に行った時にな、イソヒヨドリとかベニマシコとかカンムリカイツブリとか初めて見た野鳥って多かったやんか。やっぱり野鳥って冬のほうが多いねんなぁ。
うん、そうやな。このへんは、冬鳥のほうが夏鳥よりも種類が多いし、ふだんは山の中にいてる野鳥も寒くなるとエサを求めて山から降りてくるもんな。
「漂鳥(ひょうちょう)」って言うんやろ。日本の中で短い渡りをする野鳥のことやんな。
そうや。身近な野鳥で季節によって増えたり減ったりする鳥って多いやろ。同じ場所で見かける同じ種類の野鳥でも留鳥と漂鳥がいたりするからな。
ヒヨドリとかセキレイの仲間とかやろ。冬になったらすごく増えるもんな。
そのへんの野鳥は、一年中身近なところで見かけるから、分かりやすいわな。けど、ほとんど街の中で見かけへん野鳥って、冬鳥と漂鳥の見分けは図鑑がないとチョット分からへんな。
例えば、メジロやウグイスは?
漂鳥か留鳥。ウグイスはメジロは夏から秋は山の中に居って、冬から春にエサを求めて街におりてくるヤツもおるから。
ほんなら、ホオジロやシジュウカラは?
う〜ん、シジュウカラなんかは公園とか淀川に一年中いてるけど、チョットやけど餌台にも来るから漂鳥か留鳥。シジュウカラとよく一緒にいてるコゲラやエナガもそうやと思う。
よう勉強してるな。そしたら、ジョウビタキは?
これは、冬鳥。ツグミも同じ頃に来る冬鳥。
おお、すごいな。じゃあ、この前見たベニマシコは?
え、…冬鳥ちゃうん?…分からん。
じゃあ、イソヒヨドリは?
ヒヨドリは留鳥か漂鳥やけど…、イソヒヨドリって今まで見たことないし…冬鳥かな。やっぱり分からんわ。お父さんは知ってるん。
うん、この前帰ってから調べたんやけど、ベニマシコは北海道で多く繁殖する漂鳥。イソヒヨドリは海岸部に多い野鳥やからこの辺ではあんまり見かけんけど、漂鳥か留鳥。
そうなんや。なんか、冬にしか見かけへん野鳥は冬鳥やと思ってたけど、漂鳥って多いねんな。
去年の冬はカモ類の観察が中心、というかそれくらいしかできんかったけど、今年はちょっと種類の区別ができるようになってきてるから、野鳥が近くに居てる冬にしっかり観察できるようになろな。
今年はお正月からチョウゲンボウも観察できたし、タカも見分けれるようになりたいな。
去年はトビとミサゴだけやったもんな。お父さんも今年はフクロウを見てみたいなぁ。
まあ、あわてんとゆっくり力をつけよ。
うん、がんばるわ。
せやけど、今年こそ野鳥検定受けさせてな。2回ともお父さん申し込むのを忘れたから受けれんかったやん。
いや、まだ無理やと思ったから、申し込まんかっただけや!忘れたんとちゃうぞ!
ほんまかな…??
ほんまや!(…と思う。)

水辺の賑わい
急に寒くなったけど、治水緑地の野鳥はどうかな?増えたやろか。
「寝屋川の野鳥園」さんのホームページに、コガモやヒドリガモが来たって書いてあったから、他にも増えてんのとちゃうかな。
新宮池の方へ先に行ってみよか。
ほら、来てるヒドリガモ、コガモ…、ハシビロガモがツガイで飛んできた。
あっ、(こうたろう、カワセミ。すぐそこの錆びたハシゴの上にとまってるで)。
え、どこ…。ほんまや。この前淀川で見たときよりも近いな。あ、ホバリングした。
やっぱり、街の中で暮らしてるからやろか、あんまり二人のこと警戒してへんみたいやな。少しくらい動いても、ジッとしてるもんな。さあ、治水緑地の方へいこか。
おとうさん、あの水路のとこにチドリがいてる。コチドリかな、足が黄色いし…。
そうやな、冬羽になって余計に判りにくくなってるけど、首の後ろにも輪っかが回ってるし、コチドリでエエンとちゃうか。さて、あのシギは…。
イソシギやろ。治水緑地にやってくるシギはイソシギだけなんかなあ。南港野鳥園で見たチュウシャクシギとかは来んのやろか。
せやな、治水緑地も水鳥にとって見たら、そんなに広くは見えへんし、渡りでやってくる鳥が治水緑地によることは考えにくいわな…。あ、今イソシギをハクセキレイが追っ払ったで。
そういうたら、イソシギは優しそうな顔してるモンな…。
あれ?お父さん、キセキレイがいてるで。治水緑地では初めてやな。
うん、キセキレイ言うたら、なんかきれいな水のところに居るっていうイメージやけどな。
人や自動車がうんと少なかったころのことは良くわからんけど、カワセミにしてもこのキセキレイにしても一度は街から出て行ったのに、季節にもよるんやろうけど、また街の中で生活することを選んでんな…。
おとうさん、あのヒドリガモドバトみたい…。
あ〜あ、芝生の上を団体で歩き回ってんなぁ。何してんねんやろな。
餌かな。パンくずとかもらってるから、落ちてるかどうか探してんのとちゃう?ほんとにドバトみたいになったらどうしよ…。
あんたが心配してもしゃーないけど、なんか心配やなぁ…。

思い込みは損をする
 淀川も久しぶりやな。夏以来か?
 夏って?
    ああ、カッコウの声を聞いたとき?5月ごろやったんちゃうかな。
 そうか〜、そんなになるか。
 お父さん、カワセミや!
 ほんまや
    こうたろう、カワセミって「枚方市の鳥」になってんで。
 ふ〜ん、それでどうするん?
 どうするって…。(どうするんやろ。まさかカワセミ饅頭なんて作るわけないし…)
 この前、夏に来たときはホオジロやオオヨシキリが多かったけど、今日はあんまり居らんなぁ。
 そうやな、オオヨシキリは夏鳥やけど、ホオジロが少ないな。モズがさっきから甲高く鳴いてるけど、怖がってどっかに隠れてんのとちゃうか。トビより怖いんかもしれんで。
 あれ、トビと違うかな、ず〜っとこっちに飛んでくるやつ…。
 どれ、ほんま…、え
 ミサゴや!
 大きさが同じくらいやから、トビやと思ったわ。ミサゴは南港野鳥園で見て以来やな。
餌が見つからんから、旋回してまた帰っていってしもたわ…。お父さん、写真撮った?
 撮ったけど、よう判らんわ。
    おっと、またカワセミやで。これで3回目やな。
 あ、こんどはすぐ前に留まったで。写真…、あ〜行ってしもた。
 今日は、この辺の野鳥は写真を撮られたくないねんで。キジもさっき居ったけど、さっと藪の中に入ったやろ。コサギも前に来たときは近くで撮らしてくれたけど、さっき、ちょっと近づいただけで逃げて行ったやろ。そんな日やねんて、今日は。
 あ、そこにもダイサギがいてるけど、近づいたら飛んで行くやろか?
 せやけど、あのダイサギちっちゃい(小さい)な。ちょっと太ってるし…。
 アマサギ!お父さん、アマサギと違うかな!コサギより小さい気もするわ。
 おっと、ああそういうたら足の指も黒いな。首も短いし、アマサギやな。
    前からあんだけアマサギを見たいって言うてたのに、もうちょっとで見落とすとこやったな。
 よかったぁ…。

やっと行った、山田池公園
 雨が上がってよかったな。交野山は無理やったけど、山田池公園には前から来ようと思ってたから、仕事を休んできた甲斐があったわ。
 僕は、山田池に来るのん初めてやしな。
 さっきから、メジロとシジュウカラがひとつの群れになって飛んでんなぁ。
 エナガも一緒におるで。前にも治水緑地の近くでエナガとシジュウカラが一緒に居ったけど、メジロも一緒なんて初めて見たわ。
 モズの鳴声も聞こえてきたで。あ、ウグイスも居てんねんなぁ、鳴き声がするわ。
 おとうさん、あれってモズの鳴き真似ちゃうかな?
 えぇ〜、そんなに上手いんかなあ?(モズのいるほうへ移動)
    ほんまや、あのモズが鳴いてるんやわ、あっ今度はホオジロの声や!
 上手やな、鳴き真似するって本に書いてたけど、ほんまに聞いたんは初めてやわ。

 しかし、この公園はネコが多いな。捨てネコが殖えたんやな、きっと。
 さっき、「ネコにエサを与えないでください」って看板があったわ。ネコが殖えたら、この公園で巣を作っている野鳥のことが心配やな。ネコは木登りが得意やから卵やヒナをとってしまうかもしれへん。なんで、こんなにネコが居んねんやろう。
 そりゃ、捨てる人や逃がしてしまう人が居るからやろ。それと、ドバトと一緒で、可愛いからって公園の利用者がネコにエサをやってしまうから、公園がネコにとって居心地のいい場所になってしまってる。捨てられたネコたちはかわいそうやけど、かわいそうなネコを増やさないためにはエサをやらないこと、それしかないな。
公園で起きている問題は、ほとんどが利用者がマナーを守ることで解決するんやで。ちょっとしたマナーをな…(って、こうたろう、どこにいったんや!!)
 おとうさん、あれ何!
 おっ、エゾビタキや、渡りの途中やねんな。(この前、「関西野鳥園」さんの掲示板で蔭山さんの解説を見ていたので自信たっぷりに!)
 北海道やなくても見れんねんなあ。なあ、サメビタキやコサメビタキとどう違うのん?
 えっ…!、フィールドノート持ってきたやろ、自分で調べなさい。(焦…)
    で、どうやった。
 うん、エゾビタキはお腹のところがまだら模様になってるわ。
 そうか。(覚えとこ〜っと)


夏休み最後の悲しい出会い  
 お父さん!庭でなんかやちょうがで死んでるでぇ〜!
    ネコにでもやられたんやろうか。
 え、どこやっ!(仕事に出かけるところで少し慌てていました)
 そこ、おばあちゃんとこの勝手口の前らへん!
 ああ、ほんまやな。かわいそうにな…。こうたろう、デジカメと新聞紙持ってきて。
 はい、これ…それで、どうすんの?
 お父さんな、もう仕事に行かんと遅刻やから、デジカメで写真だけ撮っていくから、あんたはこの子をスケッチして、埋めてあげて。わかった?!
 埋めてあげてもいいの?
 スケッチしてからな! 行ってくるでぇ〜!!
    (通勤途上、気になってメール)

こうたろうへ
 さっき、埋めなさいって言ったけど、この前行った自然史博物館に電話して、「死んだ野鳥が庭に落ちていたけどどうしたらいいですか」って聞きなさい。きっと答えてくださるからその通りにしてください。

 どうやった。和田さんいたはった?
 ううん、いたはれへんかったわ。けどな、動物園か野鳥園かにお母さんが電話してくれてな、「埋めてあげてください」って係りの人が言わはったから、庭に埋めたげた。
 ふ〜ん、そうか。ちゃんと埋めたげたか?
 うん。

夏休みの自由研究は?
 ことしの自由研究は何にしよかなあ?
 去年は打上川治水緑地にやってくる野鳥の観察図を、夏と冬に分けて作ったやろ。今年は高学年になってんから、「自由研究」といえるような内容にしたら?
 えっ。どういうこと?
 例えば、ある野鳥を研究する対象に決めて、その野鳥の生活や生態について調べていくとか…。
 あっ、それやったらスズメにするわ。一番近くにいてるし、1年中おるもんな。
 ええけど、どういう内容にするんか、どんな観察をするんかよう考えてやらんと難しいで。
 分かってる。
 今日はちょっと遅いけど、田圃のほうに行ってみよか。
 お父さん、あれってムクドリやんな?
 そうや。もう、そろそろねぐらへ帰っていくんやろ。
 あのムクドリのねぐらって、どこにあるんやろ。さっきから、何羽かでグループになって、おんなじ(同じ)方角へ飛んで行ってんねんけどなあ。どこまで行くんやろ。
 それって、自由研究のテーマとしてええんとちゃうの?
 どうしょうかな…?
    おとうさん!あれ、ゴイサギの若鳥がなんかくわえてる!
 何やろな?ヘビにしてはちょっと短いし、タウナギかな?
    お父さんも、見たことないな。
 首をくわえて振ってるわ。弱らして飲み込む気やなあ。あっ、飲み込んだ。
    お父さん、自由研究は野鳥のエサの話にしょうかな?
 まあ、何でもええけど、もう少し落ち着いて考えてみたら!

キジを見たい!けど、観察できたのは…
今日はええ天気やな〜!
 せっかく淀川まで来てんから、この前みたいにキジが見れたらええな〜。
お父さん、あれケリとちゃう?
 どこ?…あっ、下がって!急に高い声で鳴き出したから、威嚇してんねんわ!
 お父さん、近づいたらあかんで。ほら、飛んできた〜、わー!
 大丈夫、大丈夫。ここにいたら大丈夫や。
せやけど、ケリのすぐ横の堤防を通っている自転車の人には鳴かんけど、何で河川敷にいてるお父さん達には威嚇の攻撃を仕掛けてくるんやろな?
 ケリの巣が近くにあったんやろか?とにかく、早よいこ!
 こうたろう、あそこに人が集まってる。カメラを設置してるから、何か珍しい鳥でもいてるんやろか聞いてくるから、ここで待っててな。
カッコウがこの辺に来るんやて。それで、みんなで写真を撮ろうと待ってはるらしいわ。そう言うたら、この辺でカッコウが居てるらしいって、誰かのホームページか何かで見たことがあるわ。
 おとうさん、この前万博公園に行ったときはシジュウカラが多かったけど、今日はオオヨシキリとウグイスばっかりやな。キジは居れへんのかな?あっ、鳴いてる。ケーン!って聞こえるやろ!どこやろ〜
 ゴルフ場に居るらしいけど、ここからは見えへんかもしれんな。
 つまらんなあ〜。
 ほら、そこに中州があるわ。何かいてへんか?
 コサギやろ、アオサギ、あっカワウもいてる。
 コチドリも…上見てみ、あんたの好きな…
 トビや!
 こうたろうが「つまらん」って言うてたから、来てくれてんわ。もう2時かさて、そろそろ帰ろうか。
あ、待って!カッコウの鳴声や!!(こうたろうを置き去りにして藪の中へ…居ました居ました。思わず数分間見とれていました。こんなところでお目にかかるとは…)
 おとうさん、居った?
 ごめんごめん。そこに居てんねんけど、ここまで来られへんな。
 うん、まあええわ、写真とってんやろ。後で見してな。(後で見たら、カッコウの尾羽しか写ってませんでした。遠かったし、木の陰やったし…)
さっきのオッちゃんらに教えたげたら喜ばはるやろな。
 ああ…そうやな。けど、この暑い中、30分かけて戻る?
 また、あのオッちゃんらのとこまで飛んでいくやろ!

20年ぶりの再会
 こうたろう、前にここに来たんいつか覚えてるか?
 えっ! ここに来たことあんの?
 来たことあんのって、お前…まだ、4年ほど前やで…。
おもちゃの双眼鏡首からかけて歩いてたら、ハイキングに来てたおばちゃんに、「いやぁ!あの子あんな双眼鏡かけて歩いてるわ〜」って、笑われたん覚えてへんか?
 あんまり覚えてへん…
 ちょうど4年前の春休みやから…そうかまだ1年生。入学式前やったんか。
けど、考えてみたら、あの時がこうたろうが「野鳥観察」に目覚めた瞬間やったんかも知れんなぁ…
 お父さん、今そこの木に留まってたん何やろ。ヒヨドリくらいの大きさで、茶色かってんけど。
 どんな鳴き声やった。
 う〜ん、声は聞こえんかったわ。でも今鳴いてるあの声かな。
 何やろ…。チリチリ、チリチリって鳴いてんなぁ。
なんか木の間を移動してんで、5〜6羽かなぁ…あっ!レンジャクや!
 えっ、どこ? よう見えへん。(結局、こうたろうは今回は声のみでした)
けど、そういうたら、あの声はCDで聞いたことあるわ。キレンジャクとちゃうかな?
 どっちかな。尾羽の部分がよう見えへんけど…冠羽がようたってたし、アイシャドウ(過眼線)の黒が冠羽の後ろまで大きく伸びてたから、多分ヒレンジャクや。20年ぶりやなぁ…
 ヒレンジャクってヤドリギの種を食べんねんけど、ヤドリギもヒレンジャクのフンが粘っこいから、次の木に運んでもらいやすいやんか。せやから増えるのに便利でええんやろ。
 そうやな…。今度は黄色いヤツも見てみたいな。

夏がやってきた!
 昨日、万博公園へ行く途中に120〜130羽のヒヨドリが群れになって飛んでたけど、どっかへ渡っていく途中なんやったんやろか?
 そうやな。ひょっとしたら涼しいところに移動してたんかもしれんな。
あ〜やっぱり、池にカモがほとんど居らんようになったなあ。ヒドリガモがそこにいてるけど、2羽だけやな。
 まだ、帰らんのかなあ…
あ、お父さんあの声…オオヨシキリが鳴いてるわ。まだ、1羽だけやな。
去年の夏に枚方の河川敷に行ったとき、何十羽のオオヨシキリが鳴いてたやんか、始めは声がきれいでよかったけど、最後はウルサなって腹が立ったくらいやったわ。
 けど、ほんとに夏が来たって感じやな。
 あと、コアジサシが来たら、ほんとに夏やな。
 ほら、夏が水門の方から飛んで来たで。
 ほんまや!
2羽…3羽居てる。ホバリングして…ダイビングした!あ、口に魚くわえてる。
 コアジサシは日本で繁殖する夏鳥やろ。埋立地や砂浜で集団繁殖するみたいやけど、この辺ではどこで繁殖してるんやろな。
 貝殻とかつぶして巣を作らなあかんし、敵の少ないところに巣を作るんやから大阪湾にある埋立地とちゃう?
 せやけど、忙しそうに飛んでるな。ツバメといい、夏鳥はせっかちやな。

子育て真っ最中!
 お父さん、カワラヒワとシジュウカラが多いなあ。(大阪万博記念公園)
 カワラヒワもシジュウカラもうちの近くにもいてるけど、ここはスズメの数よりおおいんちゃうかあ〜!っていう位いてるもんな。ほら、そこの小川のところ…スズメとシジュウカラが一緒に居るわ。
あっ!今の声…
 イカルや!
 走ったらあかんで!そっとな…居ったか?
 ううん…分からんけど、この木から聞こえんねんけどなあ。
 こっちや…。ほら、後姿が見えるやろ。
 ほんとや〜。僕、はじめてみたわ。前に、妙高高原へ行ったときも声しか聞かれへんかったから、うれしいわ。シメとかウソとかはおらへんのかな?
 さっき行った自然観察学習館で「万博公園で見られる野鳥」の地図が貼ってあったけど、シメの名前があったような気がすんな。
 えっ、知らんかった。帰りにまた寄ってもいいやろ!
 ええけど、あんたさっき何を見てたん?20分くらい居ったのに…

 おとうさん、今日は人が多かったなあ。
 ゴールデンウィークで親子連れが多いけど、野鳥も子育て真っ最中やったで。
 公園に入るとき、「中央口」の「口」の看板の中にスズメの巣があったし、うちの近くでもマンションの階段のとこや屋根の瓦の隙間なんかにスズメが巣を作ってるもんな。
 あんまり近づいてみたらあかんで、あのな…
 うん、分かってる!。『野鳥』に挟んであった『ヒナを拾わないで!!』をちゃんと読んだし、おっちゃん(昨日遊びに来た大叔父)にも説明しといたから!
 あ、そう(おっちゃん気の毒に…)。セグロセキレイも、シジュウカラも親子連れやったな。
 セグロセキレイの幼鳥は頭と背中がグレーやったし、シジュウカラの幼鳥はネクタイがお腹の途中まででくちばしのつけ根が黄色かった。
あ、それとお父さん、今日はコブハクチョウに威嚇されとったな。
 油断しとった。親鳥2羽と幼鳥4羽が気持ちよさそうに散歩しとったから、ついつい見とれとったら「お父ちゃん」がいきなり追い立てにきたもんな。言い訳やないけど、あれは「お母ちゃん」と子どもたちのほうからきてんけどなあ。それでも、羽を逆立てて下から睨んできたな。
 そのあとで、子どもも突かれとったな。
 まあ、幼鳥がかわいいからって、テリトリー近づかんことやな。反省!

身近な鳥を見分けよう
 もう大分暖かなったから、カモも居らんようになったかもしれんな。
 ちょっと数えてみるわ。えーと、1・2・3…31・32。ヒドリガモが32羽いてる。
 去年も、まだ今頃居ったかなあ。
 近所の人からパンとかもらえるし、ずっと居るつもりなんかな。
 今ここに居るカモ類でもヒドリガモやコガモなんかは冬鳥やろ、カルガモは一年中日本に居るやんか。カモ類でも、渡るカモと渡らんカモが居るのは何でやろな。
 渡らんカモは、餌があって子育てができるから渡らんのとちゃうかな。
 冬には、オナガガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、コガモ、カルガモ、マガモがこの池で暮らしてるやろ、その内、一年中居るんはカルガモだけやんか。特にヒドリガモはカルガモと同じように餌をもらてんで。
 そしたら、なんでかな。また調べてみるわ。

こうたろう、あの木の陰に居る鳥見えるか?
 どこ、よう見えへんわ。なんか居るん。
 アカハラかシロハラやと思うんやけど…、あシロハラやな、たぶん。
 あ、さっき聞いたことのない鳴き声がしてんけど、そうやってんな。
 シロハラって、大きさはツグミやムクドリとほとんど同じやけど、見た目が地味やな。
 でも、あんまりシロハラって見られへんなぁ。数が少ないんかな。
 どうやろ…。でも、多くの野鳥を見分けられるようになったら、そんなことも良くわかるかも知れへんな。それには、まずスズメでもヒヨドリでも
身近な鳥の声やしぐさをできるだけ多く覚えることやな。身近な鳥を簡単に判断できるようになれば、そのほかの鳥の見分けもつくようになるんとちゃうかな。
 そうやな。ほんで、なんでさっきの鳥がシロハラって分かったん?
 お父さんは、大きさの判別が苦手やから色を頑張ってみるんや。さっきのは地味イーな茶色やったし、風切羽が黒かったから。と思う…。
 なーんや、お父さんもよう分からんかったんやんか!
 せやから、身近な鳥からちゃんと覚えよって言うてるやろ…。

さえずり
 お父さんお帰り。あのな、今日な、お母さんが「あれ何の鳥やろ」って聞いてん。電線に止まってさえずってたんやけど、カワラヒワやってん。いつも空を飛んでいるときはヒリヒリとかキリキリって鳴くやんか。せやけど、さえずるときはチュンチュン、ジューイって高い声と低い声を混ぜて鳴くねんなあ。
 地鳴きとは違って、さえずりは鳥の歌やもんな。
 そうや、雌を呼ばなあかんもんな。
 もう桜も満開やし、恋の季節やもんな。京阪寝屋川の駅前にもカワラヒワとかシジュウカラがたまに来んねんけど、そういうたらこの前、バスロータリーにある木の天辺でカワラヒワがさえずってたわ。結構、かっこよかったで。
 へえ〜。駅前にもいてんねんなあ。メジロもさえずんねんやろ。
 そういえば、少し前までチィーってかわいい声で鳴いてたけど、オスはもうさえずり始めたな。そうそう、昨日の朝も隣の柿の木で、ほんとに「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」ってさえずってたで。
 「聞きなし」やろ。鳥の鳴き声を聞き分けやすいように、人間の言葉に直したやつやろ。
 他にどんな聞きなしを知ってる?
 ホトトギスの「天辺かけたか」とか、ツバメは「土喰って、虫喰って、シブーィ」とか…
 そうや。

野鳥のねぐらと人間の生活
 あっ、あれツバメちゃうの!
 ああ、そうやな。今年は、初めて見たな。
 ツバメってこんなに早くやって来るのん?
 3月の終わりごろに来るらしいで。今年はだいぶ温いから、早よきてんな。去年の4月ごろ、大阪城公園に行ったときに散歩してたおじいちゃんから、「あの鳥はなんでっか?」って聞かれたやろ。そんなに野鳥のことに興味がない人は、ツバメって5月ごろにならんとやって来んと思ってるもんなあ。
 僕もそう思ってたわ。カレンダーには、ツバメは5月か6月ところにのってるしなあ。
さっきからヒヨドリがたくさん集まってきてんな。ここが塒(ねぐら)なんかなあ。
 そうやな。そうそう塒(ねぐら)って言うたらな、枚方の駅前の公園を何千羽というムクドリが塒(ねぐら)にしてんねんで。そのムクドリが塒に入る時にな、数百羽づつの群れになってディスプレイフライトすんねんけど、すごい迫力やでェ!
 えっ!いっぺん見てみたいわ!!
 うん、連れって行ってあげてもいいけど、公園やその周りの道ではフンとその臭いがすごいで。
まあ、野鳥を好きな人は我慢できるけど、そこを毎日通ってている人にとっては一種の「公害」かな?
 「公害」かあ〜
 そうやなあ、フンで汚れたベンチやブランコを使うのって嫌やろ。そしたら、野鳥を好きでない人から見たら、ムクドリがたくさん集まってるんは「迫力」というよりも「恐怖」かもしれんし、公園を汚す嫌われ者かもしれん。
 その公園は誰が掃除してんの?
 市役所の人が頼んでしてもらってると思うけど、時々、ボランティアの人たちが掃除をしたはるみたいやわ。
 えらいなあ。その人たちのおかげでムクドリも塒(ねぐら)として使えるんかもしれんな。

カワセミは増えたのか、それとも…

 ちょっと前にな、友達と来た時に、そこの木にエナガがシジュウカラと一緒におってんで。
 へェ。シジュウカラはたまに見るけど、エナガもこの辺に来んねんなあ。お父さんは見たことないわ。
 あ、あれ何やろ!池(蔵王池)に飛び込んだ黒いヤツ!
 カワウやな。ほら、コブハクチョウが追い掛け回してるわ。
 縄張りから追い出してるんやろか。あ、逃げて行ったわ。
 ほら、カワセミや。そこの枯れ草の間から飛び出した。フェンスの上に止まってんのん見えるか?
 どこ!見えへん!!(背が低いので最後まで観察できず)
 カワセミって最近この辺でもよく見るけど、何でやろな。
 お父さん、前に野鳥の会の本(「野鳥誌」のこと)に投稿したやんか、汚い川にもカワセミがいてるって。
 うん、工場の横を流れてる水路にいたんやけど、迷って来たんか餌がなくて山のほうから下りて来たんかどっちやってんやろな。けど、あれから見かけへんから、迷って来たんやろ。
 近くでカワセミがたくさん見られるようになったらうれしいけど…
 環境がよくなったと思いたいけど…。けど、一時期寝屋川からほとんど居らんようになったホタルも見たっていう話も聞くから、よくなりつつはあるんやろ。
野鳥のためにも人間のためにも、もう、自然を削る開発はええよなあ。
 ようわからんけど、寝屋川でホンモンのホタルを見てみたい。去年治水緑地で見たホタルは、どっかから連れてきてネットの中に放したヤツやったから…。